購入苗の農薬事情はどうなっている!?
昨年苗で買ってきたブロッコリー。
虫に一通りやられてボロボロになったのですが、そのまま放置。
冬を超え、春を迎えて再び蕾が勢いを増しています。
ブロッコリーは花のつぼみを食べる野菜。収穫してもブロッコリーは生き続けそのままにしておくと花が咲きます。
花が咲くと売り物にならないので、一般のスーパー向けには花咲き防止剤をかける。
ブロッコリーで花が咲かないのはこの薬がかかっている可能性があるわけです。
もちろん、そうした処理をしていないブロッコリーを販売しているところもありますが、何せ情報がしっかり公開されていないと買う側からはよく分からないのが現状です。
苗で買ってきた段階で、その年は虫や病気に見舞われるだろう。自分としては最初からそのことは折り込み済みで購入しました。
理由は現在の苗は肥料・農薬漬けなので、買ってきてもうまく育たない。特に我が家のような無肥料無農薬の自然栽培だと、甘やかされて育った苗は虫と菌に脅かされてうまく育たないのです。
でもそれを悪いものとは考えず、積極的な事柄と捉える。過去に使われた肥料・農薬成分を取り除くために虫や菌がやってくる。
根っこが残ればそれでよい、そう考えて事態を放置するわけです。
そして冬を超え、今は見事な花芽をたたえています。
何もかも薬漬けの状況に呆れるばかりなのですが、やはり口に入れるものだから食材にはこだわりたい。
そして薬を使わずに頑張っている農家がきちんと報われる。食べる人の健康と安全を真剣に考える作り手が称賛される社会のあり方。
その実現を夢見て今日も畑に向かいます。
古民家の耐震性はホントにないのか⁉
300年以上続く古民家の我が家。
そのリフォームを巡り家族の意見が折り合わず、なかなか話がまとまりません。
私の親である老夫婦は隙間風が吹くような寒い家はイヤ!
こんな主張で譲らない。いわゆる高気密高断熱の家にしたいというわけです。
でもそれは家全体をビニールで覆うようなもの。当然蒸れてしまうので、柱や梁が傷んでしまう。持って30年の家づくりなんて要らない!
それが私と妻、若夫婦側の主張です。
確かに新建材を使った今の家づくりなら予算も安く済むし、工期だって短くできる。
でも、それは確実に家をダメにしてしまう。
この家は文化財でもあるのだから・・・。そのように思うわけです。
(■参考:古民家活用で分かったこと~リノベの未来・この国の未来~)
最近の建築基準法から照らせば、古民家は耐震基準をクリアしていないと盛んにいうわけです。
カンタンに言えば家の基礎にコンクリートを使うのですが、昔のコンクリートには鉄筋が入っていない。だから地震に弱いなんて言うわけです。
でも、実際の我が家は300年以上も続いているし、長岡の地震の際も、東日本大震災の時も、近くの長野県白馬村の地震のときも大きくは揺れず、がっしり安定していた印象を持ちました。
(■参照:昔の人はすごかった!」古民家と地震の関係性)
古民家の再生、リノベーションを行う際にネックとなるのが工期の問題。新建材は接着剤などを多用する工法なのでとにかく工期が短い。
それに対して伝統工法はどうしても長くなってしまう。土壁が乾くのを待ってからまた塗る。いわば輪島塗のようなものなので、どうしても完成までに時間を要してしまうのです。
今後我が家のリフォームがどうなっていくのか?
当分答えは出そうにありません。
梅の花が咲いたら芋を植えるサイン!
上杉謙信公ゆかりの土地なのですが、梅の花が咲き乱れ始めています。
梅が終わると今度は水仙。そして桜、こんな感じで花々が移り変わっていきます。
肥料も農薬も使わない自然栽培の私の畑。自然栽培と名付けている以上、教師は自然界。自然界が囁く無言のメッセージをいかに読み解くか?
これが栽培成功のカギとなります。
ポカンと眺めているだけではなかなかそのメッセージを読み取れない。どこに着目しそれを田畑に応用するか?
そのヒントは自然栽培の先駆者たちの言葉や昔から言い伝えられている伝承にあったりもするのです。
農耕時歴には梅の花が咲く頃に植え付けるのはジャガイモ。寒さに弱いので地温が上がってくるタイミングで植え付けをする。
(■参考:梅の開花で植える作物)
今まさにジャガイモの植え付けの時期というわけです。
うちの庭にも梅の木が4本ありますが、3本は白梅で1本は紅梅。白い花の咲く梅の実は味がよく、紅い花の梅の実は香りが良い。
写真はウチの梅の木の姿です。
去年までは管理不行き届きでどこまでも高く天空に向かって伸びていたのですが、昨秋にバッサリカット。
それでこのようなちょっと貧弱な姿になっています。
梅の花が全開となり始めているので、そろそろ無肥料無農薬の種イモを植え付けようと思います。
冬の間は発砲スチロールで芽出しをしておいたので、準備万全!
明日晴れるならやってしまおうと思います。
無肥料無農薬の畑の土と土壁の関係
ウチの畑は粘土質。
もともと田んぼだった土地を畑に変えているので、水はけがあまりよくない。
農業用語でいうところの「粘土質」の土壌ということになるのでしょう。
粘土質の特徴としては、水はけが悪い。硬い粘土層なので通気性も良くない。
この土質に適した栽培作物は、コメ、麦、雑穀、豆類、イモ類、こんな感じになるのでしょう。
今年の我が家の無農薬・無肥料3年目の畑のポイントは土壌改良。
これまでの畝を一度壊してさら地にする。そして通路を広げて、通路に麦を播く。麦を播くことで背丈の高さが保たれ、雑草の過剰な繁茂を防止すること。
さらに直根性で2メートルくらいの長い麦の根で粘土層を砕き耕してもらう。それにより無肥料の・無農薬の畑にふさわしい土、水持ちがよく・水はけが良い。
このような団粒構造の土づくりに着手しようというわけです。
そんな感じでボチボチと農作業を始めています。
畑作をするのに粘土質の土壌は嫌われるのが一般的。やはり雨が降るとその後畑仕事に支障が出る。水浸しになってしまからです。
でも粘土質の土壌であるメリットも活かしていろんなチャレンジもできたらいいなと思い取り組もうと目論んでいます。
例えば「土壁」。
土壁は粘土質の土が最適。粘土と稲わら・麦わらなどの食物繊維を水で混ぜてイネや麦のデンプンで発酵を促す。寝かせ発酵させた粘土をペタペタと塗り、乾くまで待つ。
(参考:土壁の魅力~土壁づくりの工程)
そして乾いたらまた塗る。このような作業も始めてみようと思います。
最近は壁が呼吸し、部屋の空気を循環させる土壁や漆喰壁なども自然住宅の復興に合わせて需要が出てきているようです。
昔は関西・北陸は土壁で、関東は漆喰壁というのが相場だったのですが、その理由は関東には粘土質の土が少ないことが理由だそうです。
粘土が乏しいからこそ貝殻などを活用していたとのことですが、湿気の多い日本の風土には土壁がやはり最高とのこと。
壁自体が呼吸する「吸放出性」と呼んだりもしますが、その作用が土壁は最強とのこと。
そして強度も高いので、再び見直しが始まっているとのことです。
こんな感じで2017年の畑をやろうと思うわけですが、やっぱり「衣食住」はそれぞれ別々のジャンルではなく切り離すことができないくらい密接に繋がっているなと痛感しています。
まあ色々着手してどれも虻蜂取らずにならないようにしなければなりませんけど。
家づくりと農業の現在に寂しさ
最近リフォームを検討していて、いろいろと調べているのですが、建築事情も農業や食品と同じだなと痛感させられることが多いわけです。
いまはとにかく工期を短くすること。この目的のために接着剤や合板板が使われる。
土壁や砂壁なんかやっていたら工期が長くなってどうにもならないというわけです。
昔の家づくりは土壁を塗って乾くまで待って乾いたらまた塗る。このような感じで時間をかけて家づくりを行っていました。
そのためしっかりした柱の家は300年以上持つ。ところが今の家は20年~30年と1世代も持たないようになっているのです。
時流はとにかく家を温かくすること。いわば高機密高断熱というものですが、簡単にいえば風通しを遮断すること。
家をビニールでグルグル巻きにしてしまう。そのような感じです。
こうして家は職人の世界のものから資材屋が牛耳るものへと変化していった。住宅メーカーが為すべきは資材屋が運ぶ材料を組み立ていくだけ。
このようにして腕の良い大工さんが絶滅しかかっているというわけです。
農業でもより速くより多くと田畑に大量の肥料が使われる。肥料は自然界が育むスピードを逸脱して成長を促進する。
肥料の多投により起こる矛盾、虫や病気は農薬を使い駆逐する。
このようなサイクルに終始しているといえるでしょう。
このまま家づくりも農業の担い手も減っていき消滅してしまってよいものか?
疑問と不安と寂しさがぬぐえません。
農業するなら後片づけを!
汚したら片付ける。
子供の頃から教えられてきた習慣です。
使ったら使ったできちんと後片づけをする。それが美しき日本の習慣、個人的にはそんな風に思います。
この理屈を以って畑に目を転じてみると・・・、
汚しっぱなし・・・。
それが今の偽らざる日本の農業の姿ではないかと感じるのです。
有機肥料であろうと、化学肥料であろうと、土にとっては迷惑な産物。無肥料自然栽培の視点からみればそのようにいえると思います。
化学肥料は自然界には存在しないものだから土にとっては異物そのもの。異物とは本来そこにあってはならないもののことだから使ったら使ったで後処理が必要になります。
有機肥料の場合は完熟肥料ならまだしも、発酵も未熟な状態のまま土に投入されているのが現状です。
有機物を発酵させ完熟させるのに必要な時間は最低3年といわれますが、その行程を省略してほとんど生のまま土に投入されているケースが少なくないのです。
有機肥料の問題は肥料の質。質が悪いと虫や病気の温床になる。有機栽培でも農薬が手放せない理由はこうした肥料の質の問題もあるわけです。
他にも世界有数の農薬使用大国でもある日本、使えば当然土へのダメージとなって汚してしまうわけです。
昔の農法は有機肥料は使えども化学合成農薬はなかったわけだし、肥料の量も今から比べれば相当に少なかったといえるでしょう。
さらに秋には麦を播き、地中深くまで根っこを伸ばす直根性の性質を利用し余分な肥料成分を麦が吸い上げていたという事情があります。
また除草剤などもなかったので、ほどほどに残った草が残留肥料を吸い上げていたとも思われます。
今は麦の自給率は10%程度。雑草は薬剤で根こそぎ枯らす。
大量の肥料・農薬が使われ放しで後片づけを行わない。これが日本の農業の現状です。
自然栽培里芋と粘土質の土
粘土質のウチの畑。
当然合う作物とそうでないものとがあります。
水持ちが良い土なのでジャガイモなどの水嫌いな作物は基本的にムズカシイ。
ましてや肥料も農薬も一切使わない栽培方法なのだから難しさはより高度となります。
そんな土なのですが、里芋はよく合う。水好きの里芋が畑で元気に育っています。
自然栽培の特徴は葉っぱが小さく丈が短い。他と比べると明らかに見劣りしてしまいますが、問題は下のイモ部分。
そこはしっかり実るわけです。
これから夏を迎えて地下部分を拡大していきますが、何はともあれ無事に成長しているので一安心。
秋には美味しい里芋にたくさん出会えますよ!