農業するなら後片づけを!
汚したら片付ける。
子供の頃から教えられてきた習慣です。
使ったら使ったできちんと後片づけをする。それが美しき日本の習慣、個人的にはそんな風に思います。
この理屈を以って畑に目を転じてみると・・・、
汚しっぱなし・・・。
それが今の偽らざる日本の農業の姿ではないかと感じるのです。
有機肥料であろうと、化学肥料であろうと、土にとっては迷惑な産物。無肥料自然栽培の視点からみればそのようにいえると思います。
化学肥料は自然界には存在しないものだから土にとっては異物そのもの。異物とは本来そこにあってはならないもののことだから使ったら使ったで後処理が必要になります。
有機肥料の場合は完熟肥料ならまだしも、発酵も未熟な状態のまま土に投入されているのが現状です。
有機物を発酵させ完熟させるのに必要な時間は最低3年といわれますが、その行程を省略してほとんど生のまま土に投入されているケースが少なくないのです。
有機肥料の問題は肥料の質。質が悪いと虫や病気の温床になる。有機栽培でも農薬が手放せない理由はこうした肥料の質の問題もあるわけです。
他にも世界有数の農薬使用大国でもある日本、使えば当然土へのダメージとなって汚してしまうわけです。
昔の農法は有機肥料は使えども化学合成農薬はなかったわけだし、肥料の量も今から比べれば相当に少なかったといえるでしょう。
さらに秋には麦を播き、地中深くまで根っこを伸ばす直根性の性質を利用し余分な肥料成分を麦が吸い上げていたという事情があります。
また除草剤などもなかったので、ほどほどに残った草が残留肥料を吸い上げていたとも思われます。
今は麦の自給率は10%程度。雑草は薬剤で根こそぎ枯らす。
大量の肥料・農薬が使われ放しで後片づけを行わない。これが日本の農業の現状です。