家づくりと農業の現在に寂しさ
最近リフォームを検討していて、いろいろと調べているのですが、建築事情も農業や食品と同じだなと痛感させられることが多いわけです。
いまはとにかく工期を短くすること。この目的のために接着剤や合板板が使われる。
土壁や砂壁なんかやっていたら工期が長くなってどうにもならないというわけです。
昔の家づくりは土壁を塗って乾くまで待って乾いたらまた塗る。このような感じで時間をかけて家づくりを行っていました。
そのためしっかりした柱の家は300年以上持つ。ところが今の家は20年~30年と1世代も持たないようになっているのです。
時流はとにかく家を温かくすること。いわば高機密高断熱というものですが、簡単にいえば風通しを遮断すること。
家をビニールでグルグル巻きにしてしまう。そのような感じです。
こうして家は職人の世界のものから資材屋が牛耳るものへと変化していった。住宅メーカーが為すべきは資材屋が運ぶ材料を組み立ていくだけ。
このようにして腕の良い大工さんが絶滅しかかっているというわけです。
農業でもより速くより多くと田畑に大量の肥料が使われる。肥料は自然界が育むスピードを逸脱して成長を促進する。
肥料の多投により起こる矛盾、虫や病気は農薬を使い駆逐する。
このようなサイクルに終始しているといえるでしょう。
このまま家づくりも農業の担い手も減っていき消滅してしまってよいものか?
疑問と不安と寂しさがぬぐえません。