安全な食品とそれぞれの役割
野山の草木には虫がつかない。
でも田畑となると虫や病原菌に見舞われる。
これが自然の野山と田畑の違いです。
虫がつく理由の大きな原因は肥料を使うこと。肥料を使えば虫や病原菌を呼び込む。これが無肥料無農薬・自然栽培の考え方です。
肥料とは自然な作物の成長スピードを人為的に早めること。それはより早くより多くを求める行為と言えるでしょう。
人間で言えば幼児の時から成長促進剤を与えて速やかに成人させようとすることと同じでしょう。
このように自然界の摂理に対してスピードを求めれば虫や病気が反自然なものと判断して駆逐しようとする。
それを農薬を使って抹殺していく、それが現代農業の偽らざる姿です。
その際、犠牲になるのは味と安全性。そして今食べものの安全性の確保が確固たるニーズとして作り手に求められているわけです。
無農薬の作物、無添加の食品。これらをもっと買いやすく当たり前のものにしていくためには作り手の意識と暮らし手の意識が高まることが必要です。
よりたくさん、より早くではなく、より安全で質が高い、このような食材がまともに評価されることが必要条件になるのです。
土作りの思わぬ副産物!?
土作りをしています。
畑の土が粘土質なため水はけがイマイチ悪い。そこで水持ちがよく水はけが良い土を目指して土を作っているわけです。
土の主成分は植物の葉や茎、そして根。それらが枯れて水が入り太陽光線と土壌菌の働きにより新たな土が作られる。
自然界が表土1センチの土を作り出すのには150年かかるといわれますが、そんなに待ってはいられない。
そこで刈った草や畑の残渣などを積み上げて自家製の土を作っているわけです。
今日その土づくり場からカボチャの苗を発見。
雨をもらい元気に逞しく顔を出していました。
以前食べたカボチャのタネを適当に捨てておいたものが発芽した模様です。
カボチャの根っこは強く、キュウリや小松菜などの野菜に接木として使われることが少なくありません。
今私達が食べているキュウリの90%以上がカボチャの根っこのキュウリです。
キュウリなどは根が弱くてうまく育たないといわれていることが理由ですが、本当でしょうか?
肥料・農薬が作物を弱めている事実に気づくことが自分の根っこで育った本物のきゅうりを育てる秘訣となるのでしょう。
痛みと熱は冷やしていいの!?
痛みは冷やす。
これが私達の常識です。
疲れて腕がだるい時も冷やす。どこかにぶつけて腫れちゃった時も冷やす。
冷やすことは痛みを取り炎症を抑える。
このような常識がまかり通っています。
確かに痛みや熱を取るのに冷やすことは良い方法でしょう。
でも、それが治癒に直結するかといえばそうでもない。むしろ温めた方が治癒が早い。
理由は血流を促進することで治癒に必要な体内物質を活性化させることができるからです。
プロスタグランジンなどの炎症を治す物質は熱と痛みを伴う物質。血管を拡張させてたくさんの血液を患部に流し込もうとする。
それを冷やしてしまうと欠陥が収縮して必要な物質が届きにくくなってしまう。
その結果、捻挫がいつまでも治らない、肩こりが慢性化する、このような結果を招きやすいのです。
昔のピッチャーは肩を冷やすことがありませんでした。理由は温めることで疲労の回復が促進されることを知っていたからです。
痛みを敵視するのではなく、体の治癒力に全てを委ねる。
それが治癒を早める秘訣です。
自然栽培は野菜の気持ちになること!
株と株の間をしっかり開けること。
肥料も農薬も一切使わない自然栽培を行う上で大切なポイントです。
株と株が狭いと野菜は満員電車でオシクラ饅頭しているような状態となり、虫や病気の発生源になりやすい。
でも、現代農業は農協の指導などで、株と株との間を短くして密飼いを奨励する。結果的に農薬依存にならざるを得ないわけです。
大根は栽培期間中に10回~15回程度の殺菌・殺虫剤が使われます。その裏には肥料の使用やタネの操作なども大きな要因となりますが、他にもこのような密飼いの問題もあるのです。
野菜が喜ぶ環境を整える。自分が大根だったら隣の人ともう少し間隔を取って欲しい。
そのように考えるのが肥料も農薬も使わない自然栽培です。
※葉を広げゆったり育つ自然栽培の亀戸大根です。
生き物でという視点を持って気持よく生育できる環境を整えるのが作り手の使命になります。
自然栽培キャベツは何度も収穫!
根っこの充実。
根っこがしっかりしていると何度も美味しい思いができる。
上の葉っぱを収穫しても根っこが残っているとそこからまた葉っぱが生えてくる。
それがまた育てば収穫できるというわけです。
越冬させたウチのキャベツ。収穫しておいしく頂いたのですが、また再び脇芽が生えてきました。
ココからまた大きくなり、結球してくれれば何度も収穫できそうです。
そのまま越冬させれば来春また収穫できる!?
そんなことを思うち楽しくなってきます。
個性あふれる野菜種の育成は!?
タネは買うもの。
これが今の農家の常識です。
タネ採りなんか面倒でやっていられない。しかもほとんどがF1種なので採種しても上手に育たない。
このようなことからタネを採る習慣は途絶えてしまったわけです。
でも、肥料も農薬も使わない自然栽培を行うにはタネ採りは基本中の基本。
その土地の気候や土に適したタネを採種していく。それが無農薬無肥料で野菜を育てるポイントになるのです。
ウチの隣の90才のおばあちゃん。この方は足が不自由ながらも毎日畑に出て自家菜園を楽しんでいます。
会うとタネや苗をくれたりする。自分で長い間自家採種を続けていてそのタネを人に配っている。
今年も瓜やナス、ネギなどのタネをもらい畑で元気に成長しています。
この土地の気候風土に適して繋がれ続けてきたタネ。こういうおばあちゃんの存在はそれ自体貴重な文化遺産だと思います。
大根なら全て青首、カボチャなら全部えびすカボチャ。これではやっぱりつまらない。
地方ごとの変わった品種を復権させる、自然栽培の普及とともに自分がやるべき課題です。
自然栽培レタスの自家採種に初挑戦!
肥料も農薬も一切使わない自然栽培。
これを行うにはタネを自分で採る、これが前提になります。
タネ採りを行い土の性能をタネに読み込ませていく。年月を重ねることで虫や病気にやられない立派な野菜を収穫することができるようになる。
買ってきたタネや苗では虫や病気にやられてしまうのでタネを自分で採ることが生命線になるのです。
今年はレタスのタネ採りにチャレンジですが、この野菜は初めて。
キク科の野菜だからどんなタネになるのか?イマイチ想像がつかなかったのですが、こんな感じ。
タンポポのように綿毛がふわふわとつくわけです。
綿毛を取り除くと細長いタネが採れるので、これを毎年繋いでいこうと思います。
綿毛が風に乗り何処かへ飛んでいかない間にやってしまいますよ!